T |
【チャイムを鳴らす】Tですけど。雑賀校長ですね。 |
校長 |
はい。 |
T |
診断書持ってきてるんですけど。 |
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【校長が玄関から出てくる】 |
T |
Tですが。 |
校長 |
なんでこんな家まで来んねん。 |
T |
ご存知だと思いますけど、私は学校に入るときは、事前に校長先生の承諾がいるらしいんですよ。 |
校長 |
送ってくれたらええやん。 |
T |
私、可及的速やかにお伝えするって話だったので。早く持ってきたんです。 |
校長 |
ほんなら、診断書。 |
T |
とりあえず、これ診断書と休職願ですね。主治医と近大病院。 |
校長 |
なんでうちの家知ってる? |
T |
お伝えしません。 |
校長 |
個人情報やろ。 |
T |
私の前前任校がXXXですから。 |
校長 |
個人情報は取らんといてよ。 |
T |
いやでも、前任の北村校長は、私の自宅まで研修命令を持ってきましたけどね。 |
校長 |
私は行ってない。 |
T |
いやいや、校長(という立場)は同じですから。校長がすげ変わっただけなので。よろしいですか? 先生が行ったかどうかではなくて、他の先生もそういうふうにしているので、私はそれに合わせてるっていうことです。 |
校長 |
個人情報を取ってるけどね。 |
T |
個人情報を取るとか意味がよく分からない。 |
校長 |
個人情報、よく知ってはるでしょ? |
T |
えっ、何をですか? 何の個人情報ですか? |
校長 |
ちょっと今回の件は、ちょっと向こうに言います。 |
T |
意味が全然わからないです。向こうってどちらですか? 【診断書を出して】とりあえずこれがまず一点ですね。あと意見書なんですけど。 |
校長 |
意見書は、僕は、先生から尋ねられたから。あの意見書ですよね。 |
T |
どの意見書? |
校長 |
メールでお送りした。 |
T |
はいはい。 |
校長 |
そうそう。あれは向こうへ尋ねて、それを返しただけなので。 |
T |
その仕事の仕方は私はちょっと理解ができなくて。まあ、とりあえずこれ診断書と休職願です。よろしいですか? あと、受領書ください。 |
校長 |
受領書? |
T |
受領書。いただきましたという受領書。日付と私の名前と先生のお名前かくだけですから。 |
校長 |
【校長は受領書を書くために家の中に向かいながら】絶対、家に来んといてくれよ。 |
T |
いや、私のところには… |
校長 |
俺は行けへん。 |
T |
(教頭らは研修命令を持って)来られてましたよ。 |
校長 |
絶対家来んな。警察訴えるから。 |
T |
なんでそんなことを言われなきゃいけないかわからないですが。 |
校長 |
【しばらくして校長が受領書を持って玄関から出てくる】これでええか。絶対来るなよ。警察言うぞ。 |
T |
いや、そんなこと言われても困りますけどね。 |
校長 |
今からポリ呼ぶわ。ちょっと待っとけ。 |
T |
ああ、じゃあ呼んでください。私も呼びます。 |
校長 |
あんたが呼んで何するの。 |
T |
え? 先生が呼ばれるので私も呼ぶんです。 |
校長 |
呼んで何するの。 |
T |
私、これ持ってきただけなのに、なぜか警察を呼ばれるので。 |
校長 |
俺の個人情報を取ったやろ。 |
T |
前の校長は…… |
校長 |
前の校長ちゃうやろ。俺と北村とちゃうやないか。俺と北村と関係あれへんやないか。 |
T |
北村校長は前任の校長ですよね。校長同士ですが。 |
校長 |
俺と関係あれへんやないか。 |
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【玄関のドアが開いて、「近所迷惑やからやめて」と校長の配偶者と思しき女性が言う】 |
校長 |
俺と関係あれへんやないか。 |
T |
静かにした方が良いですよ。 |
校長 |
お前が来たんやろうが。 |
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【玄関から「近所迷惑やから」と校長の配偶者と思しき女性が言う】 |
校長 |
【女性に向かって】ポリ呼べ、ポリ。 |
T |
静かにされたほうがいいですよ。 |
校長 |
俺と北村と違う言うてんねん。北村みたいなんちゃうぞ、言うとくけど。 |
T |
何が違うんですか? 私、これね。もう一通持ってきてるんですよ。意見書なんですけど。 |
校長 |
ほなそれ預かるわ。 |
T |
さっきいただいたメールですが、メールと、この意見書と全然内容が合ってなかったんですよ。 |
校長 |
そんなん俺知らんやん。 |
T |
先生メールされたでしょ? |
校長 |
だから、あれは向こうから、俺が問い合わせたから、あなたに送っただけやん。 |
T |
いや、それは困ります。だって先生、校長先生ですから。内容を確認して欲しいんですよ。 |
校長 |
どうやってや? |
T |
明日以降。 |
校長 |
明日以降なんか確認できへんやないか。貸せや。 |
T |
いやいや、貸せや、じゃないですよ。私、これ今から出したいんですけど、そもそもの根拠が分からない。 |
校長 |
そんなに俺に聞くなや、今。勤務時間外やん。 |
T |
締切が31日なので、その日までに、出さないといけないんです。 |
校長 |
出したらええやん。 |
T |
いや、だから、出すにあたって元々のそのメールの根拠。 |
校長 |
メールが根拠やん。 |
T |
それは根拠にならないでしょ。 |
校長 |
ここへ来て言うなよ、いちいち。 |
T |
じゃあ、どこで言ったらいいですか? |
校長 |
勤務時間内にやってくれ。 |
T |
じゃあ、お聞きしますけど、私、学校でその話をしていいですか? |
校長 |
学校は来られへんやろ。 |
T |
そう書いてありますね。じゃあどうしたらいいのかわからない。元々のそのメールの趣旨が分からないから。今、この場でお渡しできないって話。 |
校長 |
俺も意見書についてわからないけど。 |
T |
まあ、先生はそうなんだろうと思うんですけど。 |
校長 |
お前絶対家来るなよ。俺、ほんま教育委員会から、ほんまもう、わかってるやろうな。松原ってどういうとこか分かってるな? |
T |
え? 何? |
校長 |
ここの土地が分かってんのか。どんなとこか。 |
T |
いや全然わかりません。 |
校長 |
それやったらええわ。だから、意見書については、あなたが私に質問したやつを、どうしたらいいかと問い合わせて、その回答をあなたに送っただけで、その中身については詳しく分からない。 |
T |
ええ。 |
校長 |
ただ、手引きの12頁には書いてあるんですよ。 |
T |
だから、書いてないですよっていうことなんです。とりあえず今日、私これ出せないので、また別途お渡ししたいんですが、ここへ来てはいけないということなので来ないので、また別の方法でお渡しすることになります。弁護士経由で渡すとか。 |
校長 |
そういう感じになるね。きっとね。 |
T |
そうですか。まあでも締め切りは31日ですね。 |
校長 |
だから31日まで弁護士経由で渡していただいらいいじゃないですか。 |
T |
うーん。なぜこれを出すのか理由が全然分からなくて。 |
校長 |
俺もそこは全然わからんけど。 |
T |
まあ、先生も4月にいきなりこんなことになって巻き込まれてるっていう。 |
校長 |
俺もこんなことに巻き込まれた。 |
T |
そうなんですよ。そういう意味では気の毒の話だと私は思うんですけど。 |
校長 |
だからだから、そうしてよ。あなたが今おっしゃったようにしてください。 |
T |
結構ですけど、それで。先生も全然ご存知ないと思うんですけど、今の状況も全然わからないと思いますし、なんでこんなことになってるかも全然わからないと思います。私も分からない。お互いそういう感じなんで。先生のスタンスはわかりましたけど。ただ、私はこれがなぜその(手引き)12頁に書いてないのに、これを出さないといけないのかわからないよ、っていう。 |
校長 |
でも私が読んだ限り、なんか書いてあったと思う。 |
T |
なんかは書いてあるけど、関係ないことが書いてあるんです。 |
校長 |
それはわからん。 |
T |
そうですか? まあとりあえず私は引き払いますから。 |
校長 |
じゃあこれ(休職願と診断書)は受け取りました。 |
T |
じゃあこれ(意見書)は別途。よろしいですか。では失礼します。 |